■人の5倍速く進行する、犬の認知症

2024/08/23 【未分類

●獣医療や栄養、住環境がよくなったことで犬の寿命は世界的にのびています。

人と同様に犬も歳をとるとガンなどのさまざまな病気を発症しやすくなりますが、そのひとつに脳の加齢による病気である認知機能障害症候群があります。

それまで分かっていた周囲の人や環境を認識できない、徘徊をする、昼と夜が逆転する、目的もなくひたすら吠えるなどといった様々な変化が見られるようになり、いわゆる人の認知症とよく似た症状を示すようになることがあります。

アメリカやヨーロッパでは11~12歳の犬の28%が、15~16歳の犬の68%が罹っていると見積もられているそうなのですが、すべての犬が加齢によりなるわけではありませんし、この病気によく見られる症状であっても他の神経疾患が原因である場合もあります。

早期発見して治療をするとよりよい予後となる可能性があることから、スロバキアの獣医大学の研究者らはその兆候がみられる8~16歳半の215頭の犬を対象に研究をおこない、病気のステージ(一般の老化・軽度・中程度・重度)を評価する新たなる基準を発表しました。

解析によると、半年の間に症状が一般の老化から軽度になった犬が42%、軽度から中程度になった犬が24%いたそうです。

この進行スピードは人の5倍の速さであるそうなのですが、それについては犬の寿命が人のそれよりも短いためであると研究者らはいっています。また1年を経過すると一般の老化から軽度が71.45%、軽度から中程度が50%とほぼ倍の割合でステージの進行がみられたそうです。

症状が進んでくると、これまで通りには生活が送れなくなり最悪のケースでは飼育放棄へとつながることがあります。また、老犬介護や老犬ホームなどの手を借りざるを得ないこともあるかもしれません。

現在この病気には特効薬はありませんが、散歩や遊びを通じて脳を活性化させ、精神的な刺激を与えることが発症時期や進行を遅らせることに役立つのは明らかです。

愛犬と長く楽しく暮らしていくために、愛犬の年齢にかかわらず日々の生活スタイルを改めて見直してみるのもいいかもしれませんね。

 
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