■聞こえないモノを「きく!」
2024/10/21 【未分類】
●モスキート音というものをご存知でしょうか?
これは人間の聞こえる音の一種ですが、17キロヘルツ周辺の非常に高い音で、大体20代ぐらいの若者にしか聞こえない音域の音です。
よってそれ以上の年齢になると聞こえ難くなります。聞こえるのも当たり前であり、聞こえないのも当たり前なのです。
犬がある一定の方向を凝視し吠えるという場面を目の当たりにします。そして、その30秒後に郵便屋さんが来たという話しを聞きます。この場合、恐らく私たちには聞こえない音をいち早く感知し、その音に反応したという推測ができます。
しかし、刺激の感知から5分後に郵便屋さんが来た場合は如何でしょうか?またその郵便屋さんが自分の家ではなく、3軒隣だった場合如何でしょうか?きっと理解するのは困難になると思います。しかし、犬にとっては同じことかも知れません。
これに似たケースで、犬たちには私たちには見えないモノも見えている場合もあります。
というのも、犬たちは解剖学的にも人間とは違った目の構造をしています。夜の行動に役立つような目の中で光を反射させて増幅させるようなタペタム層や、暗闇でも対象の形をハッキリ認証出来るように桿体細胞が多く存在しています。
ということは、人間での可視波長域とは違った部分の映像が見えていることは理解でき、また自ずとその見え方も人間のそのものとは違うはずです。
これも、彼らが生き残る為に違った進化を遂げて来た結果であり、また全く違った動物であるという再認識をさせられるところでもあります。
犬たちは人間と同じ環境で生活し、しかも人間の生活リズムに合わせられることができる自然界でも本当に珍しい生き物です。
しかし、彼らは違った生態を持っており、違った見え方や聞こえ方をしています。
人間と比べてどちらが正解ということは全くありません。単純に違うだけなのです。
よって、もし犬が何かしらの行動に出た場合、直ぐに怒ったり人間の感覚で判断するのではなく、彼らの進化や生態を把握した上で少し考えることが必要ではないでしょうか?
どちらかというと人間が犬に合わせているのではなく、犬たちが人間に合わせてくれていると思っています。
自然界では彼らは人間無しでも生きていけます。よって、本来は彼らにとって人間はなくても良い存在かも知れません。逆に、人間が犬の魅力に惚れ、家畜化したという方が正しいかも知れません。
我々はもっと犬を知る必要があり、知る義務があるのではないでしょうか?
人間には聞こえないモノを「違う」という感覚ではなく、「聞こえて当たり前!だって犬だもん!」というように捉えられる環境になれば、普段の生活の中においても犬の目線立っての視点観点が定着するのではないでしょうか?その結果、犬を尊重することに繋がると思います。
そうすれば、彼らにとってもとても過ごしやすい、犬たちの「笑顔」が溢れる社会環境になるのではないでしょうか!